溜め込まない方法
2012.7(アクリル絵具)
まだ自分がアダルトチルドレンだということを知らない時期、視えたり聴こえたりといった症状が続くようになった頃です。
統合失調症のお薬を飲まなかった私は何をしたかと言うと、この時も絵を描いていました。
「描きたい」ではなく、「描かなくてはいけない」という思いが先行していたと思います。
視えるものや聴こえるもの、…それらからの解放というよりも、それらが一体何者なのか、突き止めたかった思いがありました。
絵の中にある顔以外のものは、全て当時視えていたものです。
描いたところでそれらが一体何であるかは分かりませんでした。気付いたのは自分が「普通ではない」「異常だ」ということだけです。とても悲しい気持ちになりました。
(描かなきゃよかった…)
それが正直な感想でした。
しかし、悩ませる症状が現実的に「ストレス」であり、ストレスによって「普通ではない」と気付いたと解釈するならば、絵を描いたことは良かったことなのだと思います。
ストレス解消で"愚痴を言うのは大事"…なんて聞きますが、私は愚痴を言えませんでした。母にだけは何でも話していましたが、友人や大人には愚痴や相談が出来ませんでした。
弱い自分を見せる恥ずかしさと、言ったところで何の解決にもならないし、結局は自分でなんとかするしかない。…そう頑なに信じていましたから。
同じような方がいらっしゃったら、お伝えしたいことがあります。
無理に愚痴を言う必要はありません。
私もそうなのですが、愚痴を言うのにはかなりのパワーを使います。使いたくない言葉を使ってしまうからです。愚痴を言うことで更にストレスが生まれてしまっては、元も子もないですから。
しかし、ストレスを溜め込む必要もありません。
ではどうするのかと言うと、
「表現」をすることをおすすめします。
「表現」という言葉、普段使いませんか?
芸術家が使う特別な言葉に聞こえますか?
しかし、表現とは普段人間が無意識にやっていることです。笑ったり泣いたり怒ったり喜んだりといった顔の変化も、また表現です。
知らず知らずの内に、皆さん自分を表現しています。
表現の良い点は、自分の内面を外に「現す」ことでしょうか。そこに観る人、観客が居る必要はありません。
私はよく歌を歌います。これもまた、表現です。
特別に歌が上手なわけではありません。歌を歌う時はいつも1人です。1人の状態でなければ、恥ずかしくてとても歌えません。しかし、歌を歌うと、とてもスッキリするのです。頭ではなく身体を使いますから、歌っている間は、頭が休憩出来ているような気がします。
手軽な表現を1つご紹介すると、
「線を描く」
というもの。近くに紙やペンはありますか?
とりあえず真っ直ぐ線を引いてみる。3センチくらいの短いもので構いません。
それを繰り返していると、段々つまらなくなってくると思います。
つまらなく感じたら、好きに引いてみてください。ペンの種類を変えたり、紙の種類を変えてみるのも良いかもしれません。
線の太さや筆圧を変えてみてください。
あなたの好きなように描いてみてください。