【ドリーマーとロスト】夢中になっていい
アダルトチルドレンと教えてもらった時、彼女が亡くなって3年経っていました。彼女にもう会えない、…その事実は頭に受け入れていました。さらに心理士さんと話をすることで、
"その時自分は何も出来なかった。死因が何であれ私が電話に出たところで、彼女の生死を変えることは出来なかった。"
…そう思えるようになりました。
BUMP OF CHICKENさんと初音ミクちゃんの「ray」という曲にも救われました。
しかし、心の中には未だモヤモヤが残っていました。
これは一体何なのか…。
彼女の遺品である彼女の描いた「初音ミク」というキャラクター。彼女の実家を後にしてから、私は初音ミクについて調べ、「ボーカロイド」「歌い手」「ニコニコ動画」…など、彼女が夢中になっていたものに触れるようになりました。それらは自然と楽しめましたし、私もその世界に夢中になりました。そして、初音ミクちゃんの見た目は、どこか懐かしくもありました。
幼い頃目指していた漫画やアニメといった世界から、私はいつしか距離を置くようになりました。高校で漫画家デビューする!と意気込んでいたにも関わらず、多忙な学校生活、そして、漫画やアニメの世界から、絵画や芸術作品などの世界に、興味が移っていったように思います。しかし、やはり夢を捨てきれなかったのか、高校時代でも「りぼん」を読み続けていました。
彼女とは会えずとも、高校時代までは毎年イラストを描いた年賀状のやり取りをしていました。葉書の中でいつからか彼女は私に敬語を使うようになったのですが、変わらず彼女は漫画のスキルを磨いているようでした。
心の中のモヤモヤが消えない中、彼女との思い出を振り返っていると、当時のように漫画チックなイラストを描きたくなりました。
2015.1
笑っている女の子を描くと、描いている自分まで笑顔になる…やっぱり好きだな。可愛く描けたな…我ながらそんな風に思いました。
それから、毎日のようにシャツ縫製の仕事から帰るとイラストを描くようになりました。彼女の遺したイラスト集を見ながら描いたのは、「初音ミク」ちゃん。
2015.1
そんな日々を送っていると、
(なぜ自分は漫画やアニメの世界から離れたんだろう…大好きだったはずなのに…)
そんな疑問を抱きました。
そして、すぐに気付きました。私は大好きだったそれらから離れたんじゃなくて「諦めた」のだと。
どうして諦められたのかと言うと「彼女」がいたから。亡くなった彼女が居たからだと。知らず知らずのうちに、勝手に、彼女に夢を託していたのです。
さらに、頭の中にある禁止事項「〇〇なければいけない」の中からあるものが浮かんできました。
「お金にならないことはやっちゃいけない」
「夢中になってはいけない」
彼女が亡くなってからしばらく、私は自分を責めていました。もし彼女が何か悩みを抱えていたのだとしたら、何故自分は気付いてあげられなかったんだろう…と。上京してからというもの、学校に夢中になり、未来に向かって前向きに走り続けて来た自分をその時
責めてしまったのです。
(私は何かに夢中になっていると、大切な人の変化に気付けない…)
(もう友達を失うのは、こんな思いをするのは、嫌だ…)
「ドリーマー」が「ロスト」に変わる瞬間を肌で感じた気分でした。
これが、【ドリーマーとロスト】についての話です。
そして友人の死という出来事について、もう1人のインナーチャイルドが関わっているとお話しました。
「ピエロ(ゴースト)」
です。ドリーマーがロストに変わる際、ピエロはこんな事を言いました。
"お前が死ねばよかったのに"
この言葉は、ずっと私の頭の中にありました。彼女が亡くなってからずっと。この言葉がピエロからのものだと気付いたのは、ほんの数日前です。
ピエロについては、また後ほどお話します。