【ピエロ】あの日のピエロ
2015.5.11
中学に入って最初の夏服。
何時だったのか忘れてしまいました。
他校のセーラー服に憧れていました。私の学校の夏服は、ちびまる子ちゃんが着ているような吊りワンピース。色は水色です。
その日、私はいつものように一人で帰っていました。中学校から家までは歩いて5分くらいです。
知らない男の人が立っていました。おじさんではなく、若い男の人。今の私より、年下だったかも知れません。
あと半分歩けば、家に着く…その場所で、
私は「性犯罪」に遭いました。
立っていた男の人の前を過ぎた後、そこにはカーブミラーがあります。いつものカーブミラーです。オレンジ色の。
カーブミラーに何が映っていたのか、思い出せません。
私は何かに捕まってしまい、動けなくなりました。
耳に入ったのは男の人の声でした。
「逃げたら殺すよ」
そのまま
すぐそばの林の中に連れて行かれました。
泣きながら家に帰りました。
泣きながら家に入ってしまったので、
母はとても驚いていました。
警察署に行き、婦人科に行き、
後日警察官と「犯人」捜しをしました。
犯人を見つけることは出来ませんでした。
…というより、見つける力は、私には残っていなかったような気がします。
学校にはいつも通り通っていました。
自分の笑い方が、変わったように思います。
へらへら笑うようになりました。
警察署で事情を聴かれる時
私はへらへら笑っていました。
母の前で、一体何を、どんな風に話せばいいのか、
ずっとへらへら笑っていました。
…この事を心理士さんに話した際、
"子供は辛い体験をした時、逆の行動を取ってしまうのよ。笑いたくないのに、笑ってしまうの。"
そう私に教えてくれました。
大人の私は、涙が自然と出てきました。