子供の質問

アダルトチルドレンと教えてもらい、それからの日々の事など。

5人の出現

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2016.3.21

インナーチャイルド達と向き合うと、色んな出来事を思い出しました。思い出したくないことも、すっかり忘れてしまっていた、楽しい日々も。

先日私は思い出したくない出来事を鮮明に思い出して、朝まで眠れず仕事に行きました。寝不足は…いけませんね。力が出ません。

思い出したのはある日の夜の出来事。

まだアダルトチルドレンという言葉を知らず、視えたり聴こえたりといった症状に悩まされていた時でした。

その日の夕食の食卓、
私は苛々していたのかも知れません。
父から発せられる言葉にひどく敏感に反応し、露骨に父に向かって文句を言っていました。そして、私から喧嘩を吹っ掛けてしまいました。

私は目の前の食器を父に向けて放りやり、それを受けて父は怒りを露わにします。

食器を拾わない私を、父は大きな声で怒鳴りました。

突然、父の背後に動く巨大な蜘蛛が視えました。
私はその視えないはずの蜘蛛に、釘づけになりました。

そして父がこちらへ向かって来ようとしたその時

私は自分でも聞いた事のない叫び声をあげます。
母は悲痛な表情で立っていた私に腕を回し、支えました。
母は

「やめて!今この子は不安定なんです!病院に行ってるの!」

母には心療内科統合失調症と言われたことを話していました。一緒に本屋さんへ行った時、統合失調症についての本を、母は読んでいました。
おそらく症状が出たのだと、思ったのでしょう。

母の声を受け、私は自分を取り戻したように冷静になります。

「触らないで」

母の腕を振り払い、階段を上がり自分の部屋に入りました。

一階からは父の言葉のナイフが飛びます。
静かにドアを開け、私は二階の廊下に立ちました。

"どうするんだ"
"アレをどうするんだ"
"誰のせいか?"
"誰のせいだ?!"

激しく母を責め立てていました。

その瞬間私は自分も聞いた事のない音量の声で
「あんたのせいだよ!!」

…あまりの声量に自分でも驚きました。

その後私は部屋へ戻り、泣きました。
泣きながら壁を叩きました。

一階からは

"ほうら、またはじまった"
"どうするんだ"

父のナイフは離れているはずの二階の私の胸に刺さります。

私は知らず知らずの内に手首を掻きむしっていました。血が出ています。慌てて止血しました。
東京タワーで買った、オブジェが目に入りました。

私の口から出たのは、

「戻ってくるんじゃなかった…」





この夜は、大変疲れました。

自分で自分が手に負えない…とは、おそらくこんな状況なのでしょう。

私はインナーチャイルド達と向き合った今、この夜はインナーチャイルド5人全員が出現したのだと確信しました。

食器を放りやったのは、【ペインター】
(…大人の私には、こんな大胆なこと出来ません。)

父の背後に巨大な蜘蛛を視たのは、私。

父に怯え泣き叫んだのは【child】

冷静さを取り戻したのは、私。

二階の廊下から大声を出したのは【ペインター】

涙を流したのは【フラワー】
(フラワーについてまだ話していませんが、彼女は他のインナーチャイルド達と違い、家庭への憧れを持っていました。)

壁を叩いたのは【ペインター】
(私は卒展の大作で、絵の具をキャンバスに叩きつけていました。)

言葉のナイフに刺されたのは【child】

手首を傷付けたのは【ゴースト(ピエロ)】

母が東京に来た時に一緒に上った東京タワー…そのオブジェを見て呟いたのは【ドリーマー(ロスト)】


あれは完全に、5人全員が出てきてしまった…そう思っています。5人を引き離すこと、そしてそれぞれの意見を聞くことは、その時の私…「視えないもの」を見つけてしまった私には不可能でした。

改めて精神科に駆け込んだあの日、
「殺意」を感じたあの日を思い出すと、

"殺したい"
その私の口から出た言葉は、紛れもない大人の私自身の殺意だったのだと思います。

5人が出現した日を境に、精神科に駆け込んだあの日まで私は、

何も出来ませんでした。

大人の対応というものが出来ていなかったように思います。


インナーチャイルド達が出現する度に、彼らと向き合うことから逃げていました。

身体を傷付ける日もあれば、
東京への未練を感じる日もある。

父の怒鳴り声に怯える日もあれば、
会社の人と喧嘩をし仕事を放ったらかして帰る日もありました。

調子がよかった、楽しかった日々を振り返り現実から逃げていました。


その時の大人の私には、
5人と向き合う勇気も力もありませんでした。

"もうダメかも知れない"
もう自分が手に負えない。次に感情が爆発した時に、冷静でいれる自信がない。もう死ぬしかないのかな…


"なんでだろう?"
"どうしてだろう?"
なんで私が死ななきゃいけないの。どうして…私が死ぬ必要なんてある?何か間違ったことした?


"あいつさえ居なければ"
あいつが悪い。あいつが私の世界をめちゃくちゃにした。大切な人を傷付けた。いつだってそう。自己中心的で利己的で嘘つきで乱暴で自己愛が強過ぎる。


"殺したい"


紛れもない、大人の私の「殺意」でしょう。

5人の誰かではなかった、
少しホッとした気持ちは、

私が大人だからかも知れません。

「子供」じゃなかった…
この安堵感に、私は今救われています。