モラハラを脱出した母への戸惑い
長年私の父…夫のモラハラに遭っていた私の母ですが、
今随分と回復しています。
以前書きましたが、母はモラハラカウンセラーの方のブログを日々チェックし、自身の体験と重ね合わせているようです。
その中で着実に、カウンセラーさんの考えやアイデアを取り入れ、確実に「回復」しています。
回復…というか、何でしょうね。
母は "マインドコントロールが解けた"
そのように私に話してくれます。
母から聞く最近の両親の様子というのは、私が育った環境とは、随分と様変わりしたように感じます。
ここ最近、母に会う度に…
母はとても嬉しそうな顔を見せてくれるんですよ。
しかし正直な所、素直に喜べない自分の感情に気付かされます。明らかに…戸惑っているんです。
私は。
モラハラ加害者というのは、自己愛が強いと書かれますし、私の父もそうです。
自身を正当化するために、2つの顔を代わる代わる出して来ます。
私が考えるに…
"甘やかしてはいけない"
大の大人である人間には、少々おかしな表現かも知れませんが、私はそう考えています。
モラハラの被害に遭ってしまう人というのは、優しい人が多いそう。私の母もそうです。
優しく、思いやり、声かけが出来る人間です。
しかしその尽くす想いが強い上、自己愛が強い人間というのはそれに甘え、次第に我が物のように扱う…モラハラのターゲットにされてしまうんです。
そんな、モラハラのターゲットになっていた私の母がなぜここまで回復出来たのか…
本当に不思議なくらいです。
今ではすっかり、立場が逆転したかのように感じられます。母の話を聞く限りでは。
母の喜ぶ姿に、共感出来ないのは、
やはり私がアダルトチルドレンだから…。
母の話は、回復は喜ばしい事なのに、
私はとても複雑な感情が入り混じって、なんとも後味の悪い状態になってしまいます。
その理由は…
なんなのか、ずっと考えていました。
おそらく、母がモラハラを回復する事と、
私がアダルトチルドレンであるという事は、
全く別個の話なのだと、そう思うんです。
長年父のモラハラに耐えて来た母ではありますが、
完全に父に意識が集中し過ぎていました。
私や兄が子供時代、大切な時期に。
苦しい時でも、悲しい時でも、いつでも
我が家では父が最優先でした。
その事実があるから、
うまく飲み込めないんです。
はい、良かったね!…とは言えないんですよ。
そしてもう1つ。
やはり私は、理想の夫婦像を求め過ぎていたのだと気付かされました。
モラハラをする関係というのは、論外。
しかしモラハラから脱却し、回復したターゲット…
母はとても…
勝ち誇った様に見えてしまうんです。
もちろんそれは私の印象に過ぎません。
しかし今度は、私は父に対して、
"可哀想だ" と感じてしまう…
これじゃあ父と母の関係が入れ替わっただけじゃないか…
夫婦というのはお互い対等である "べき" だ…!
そういった価値観、理想像が、
おそらく私の中に長年あるのでしょう。
実際の所は私は知りえません。
モラハラをする人間というのは、人を一方的に攻撃する反面、人に甘え、情けを受けようと必死になる姿勢もまた崩しません。
それに対し、冷静に、客観的な目で父を見れるようになった母の回復というのは、本当に喜ばしいことでしょう。正直、ぜんぶ共感は出来ませんがかなり驚きました。
とても短期間で…
母のその強さが羨ましいとも思います。
しかしアダルトチルドレンの私はやはり、
こう思ってしまうんです。
"なぜあの時、
辛い時
悲しい時
苦しい時
寂しい時、
私が子供時代に、そう出来なかったのか…"
母を責める気はありませんが、
なんとも不甲斐ない気持ちでいっぱいになります。
どこにぶつけていいのやら…。
そして悔やんで責めてしまいます。
両親の仲を取り持つ為、
家庭の雰囲気を壊さない為、
必死になって我慢してきた自分自身を。