子供の質問

アダルトチルドレンと教えてもらい、それからの日々の事など。

【ペインター】素描で養われた自分哲学

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今の私の大きな主軸になっているのは、高校時代に生まれた「ペインター」です。高校時代、私は芸術科という科で、美術を選択、油彩を専攻していました。

「フラワー」が喜怒哀楽を奏でるギタリストならば、「ペインター」はパッション…曲を支えるドラマーと例えることが出来るでしょう。今の私にとって、縁の下の力持ち的な存在なのです。

色で表すならば、深みのある「赤」です。
高校時代は色とりどりの「原色」でしたが、ペインターは高校を卒業しても、ずっと私の中にいます。その過程で、とりわけ赤い色みに変化したと感じています。

ペインターの元となったものとしてまず挙げられるのは、高校時代に励んだ素描=デッサンです。
高校時代はとにかく素描の毎日でした。徹底的に「物を視る力」を身に付けるため、授業はもちろん、朝も放課後も、夏休みは宿の一室を貸し切ってデッサン合宿なんてものもありました。

素描を通して、色んなことを学びました。

紙の上に目の前の物を写し取る。紙の上に目の前の物を存在させる…手に取れるように描くためには、「光」と「影」について知る必要がありました。

高校一年の時に最初に描いた石膏像…先の画像では上部の真ん中にあるデッサンですが、この時私は先生から

「色はよく見ているけれど、1番明るい所と1番暗いところがない。だからレリーフみたいだ。」

そう、言われました。色というのは、明暗のことでしょう。1番明るい所というのは、1番光が当たっている場所。1番暗い所というのは、光が届いていない場所。レリーフというのは、球体を半分に切ったようなイメージ…立体として成り立っていない、立体として描ききれていない、ということでした。

この時瞬間的に思ったのは、父と母に対する自分の思いでした。後で詳しく書くことになりますが、私にとって父と母は、それぞれが正反対に位置していました。それぞれが相容れない…そういったイメージを持っていたのです。ですから、単純に紙の上に正反対のハイライト(強い光)とブラック(光が届かない場所)その両方が必要なのだと知った時、なんとも言えない嬉しさのようなものがありました。

「この石膏像を紙の上に存在させるには、ハイライトとブラックが必要不可欠なんだ…」

それは同時に

"自分にはやはり父と母、2人共が必要"

そういった解釈をしました。

このように素描を通して「物を視る力」を一つ身に付ける度、それを自分と両親の関係に重ね合わせて、思考を巡らせました。

自分なりの自分のための哲学を突き詰めていったのです。