"昔の家庭"
「戦争とおはぎとグリンピース」
婦人の新聞投稿欄「紅血」集
久しぶりに本を買いました。
ゆっくり読みたいと思います。
みなさんは「昔」と言われて、
いつの時代を思い浮かべますか?
私の母はよく言います。
"昔の家庭はどこもウチみたいな感じだった"
私は子供の頃から言われてきました。
母は自分がモラルハラスメントの被害者であり、
娘がアダルトチルドレンという状態にあることを知っている今でも、よく言います。
本当によく言います。
子供の頃、私が他所の家庭を羨ましがる時、
父に対する疑問を母にぶつけた時は、必ず口にします。
私が子供の頃、あまりに何度も言うので、まるでおまじないのようだと…
必死に言い聞かせている、
母自身になのか娘=私に対してなのか…
そのように私は感じていました。
母の言う「昔」が具体的にいつなのかわかりませんが、おそらく今の日本の家庭には少ないものなのでしょう。
亭主関白
男尊女卑
母の言う「昔」を聞いて私がイメージするのは、戦後というよりも戦時中です。
もちろん、私は戦争を経験していませんから、あくまで想像の世界なのですが。
戦後の東京を舞台にした映画に、
「ALWAYS 三丁目の夕日」があります。
この時代ももちろん、映画の中の家族のように、家庭内では男性の力が強かったでしょう。
しかし戦後というのは女性が社会に出て行く、それが始まったという印象も私は持っています。
女性を大切にするようになると、
次第に子供達を大切にする、
子供の意見を聞くことの大切さも生まれるような、
私はそんな印象を持っています。
私の家庭にあったのは、まさしく
亭主関白、そして男尊女卑です。
何をするのにも父への報告が必要でした。
父の許しが必要でした。
そして父は母と子供の意見を聞こうとしません。
父はというと、自分勝手に何でも決めることが出来ます。何でも言うことが出来ます。
私は、とても悔しかったです。
学校では歴史を学びます。
私が生まれたのは昭和の終わり。同級生には平成生まれの子もいます。
女性の権利を得るために奮闘した多くの女性達の存在を知ります。彼女達のおかげで、今を生きる女性には働く自由があり、選挙権があり、自由に意見を言うことが出来る権利があります。
今の日本の世の中には、
女性が働ける環境を整えたり、子育て支援など、女性のための仕組みを国が積極的に考えてくれるようになりました。
亭主関白や男尊女卑…
そんなものは、もはや「時代遅れ」に思えてなりません。
私が家で感じていたのは、
社会から取り残されている…そのようなものです。
友達の家庭というよりも、社会との格差を感じていました。まるで「昔」の時代を生きているような、そのような戸惑いもありました。
父から女性を馬鹿にする言葉が出ると、
私は怒りなのか、悲しみなのか、よくわからない感情が生まれます。
"男に生まれていれば良かったのに…"
自分自身に対してそんな風に感じることもありました。
しかし、その考えすらも時代遅れ…ナンセンスなものだと感じているのも事実。
男性だろうが女性だろうが、
はたまた子供だろうが、
人はやりたいことをやれる、権利があります。
それを父親が奪う権利はないのです。
もちろん、「昔はみんな〇〇だったから」…そう口にする母にも。
"昔は〇〇だったから…"
その考えは、成長を止めてしまう気がします。
新しいアイデアを潰してしまうような気がします。