"なんでも出来ます"
2015.3.18
先日病院で、私はある本を手にして主治医にこんなことを尋ねました。
「父のことを調べようと思い、大人の発達障害についての本を買いました。父にも当てはまる項目はたくさんあって…でもそれよりももっと、自分に当てはまることがありすぎて…私は発達障害なのかも…。」
私が持参した本というのは、大人の発達障害と題してアスペルガー症候群・ADHDについて書かれてある本です。
私はADHDよりもアスペルガー症候群の特徴にそっくりでした。
主治医は穏やかな口調で私に教えてくれました。
"アスペルガーもADHDも、みんな当てはまります。この二つについて話し合いをした際、みんな当てはまったんですよ。私も注意欠陥があります。
虹のグラデーションのようなもので、みんな必ずどこかに当てはまるんです。当てはまらない人なんて居ないんです。
だからもう、アスペルガーという言葉は使わないようにしました。代わりに自閉症スペクトラムという名前で呼ぶようにしたんです。アスペルガーの研究をする人達は怒っていましたけどね、笑。
だけどしょうがない。みんな当てはまるから。"
これを聞いて、私は目から鱗でした。
そして、こんな疑問もぶつけました。
「"雨" を "飴" ととらえてしまうんです。"すごい雨ですね" と声をかけられた時に、たくさんのキャンディが降ってきて、その中にみんなが憧れるようなすごいキャンディがいて、他のキャンディ達からキャーキャー言われてる…そんなイメージが浮かんでしまって、すぐに返答出来なくて…」
私は自分のことを、言語障害があると考えていたんです。しかし、主治医は全く予想もしない返答をしてきました。
"人が思いつかないような返答をする…それは非凡なんです。平凡ではなく非凡。
平凡はつまらないですよ。しかし非凡というのは、名を轟かせることが出来ます。"
"非凡が良いんです。平凡はつまらない。
だけど、非凡の人が気をつけた方がいいのは、精神を崩しやすいところ。夏目漱石も芥川龍之介もそうでした。"
"最近どんなものを作りましたか?作品を展示したりしたことは?"
「東京では展示もしたし、クラブハウスでライブペイントをしました。DJが流す音楽の隣で、絵を描いて…とても楽しかったです。みんなお酒を飲みながら観てくれました。」
"そうですか…笑。誰もそんなことしようとは思わないですよ。出来ない。
今はなんでも出来ますよ。性同一性障害なんかは、もう今では文化になりました。思い悩むことはあってもいいです。しかし、文化は変わっていきます。"
私はとても嬉しい気持ちになりました。
生きる希望のようなものを、主治医の言葉から感じることが出来たんです。
確かに、文化はどんどん変わっていきます。
美術史もそうであったように、ファッションも、思想も、マイノリティがマイノリティでなくなる…文化として受け入れられる日が来るのだと、胸熱になりましたね。笑
せっかくなんでも出来る時代に生まれたのだから…
自分で表現することにストップをかけてしまっては、勿体無いですね。
ただ今の私は人が怖く感じます。
散々ぶっ飛んだことをやって来たはずなのに、今更躊躇してしまってるのです。
そんな時は、自分の作品を気に入ってくれた人達のことを思い出してみようと思いました。
高校時代、古典の先生が文化祭に出した私の作品を気に入ってくれて、和紙を縫った栞をプレゼントしました。
先生達から酷評だった大作も、卒業展示会では強面の男性が、足を止めてじっくり見てくれたんです。
撮影スタジオでは私の作る描くものだけでなく、会議の発言に関しても「良い」と言ってもらいました。
文化服装学院では、デザイン画の授業ではいつも先生や友達から褒めてもらいました。先生は「線がすごく素敵!」。友達は私の絵が好きだと、いつも言ってくれましたね。
ライブペイントをした際も、「見る度にガラッと変わって面白い!」という言葉をかけてもらい、名前も知らない人達が興味深く楽しんで観てくれました。
今でもそうです。
応援してくれる友人達というのは、本当に沢山います。何か作った描いたものをアップすれば、responseをくれるんです。
職場ではついつい、人との違いに思い悩んでしまいます。人に出来て自分に出来ないことが、本当に多く感じます。
家にもそれを持ち帰ってしまい、なかなか気持ちを切り替えることが難しいです。
統合失調症の初期
非凡
悩まされるものが上記のどれなのか、最近は少し区別が出来るようになりました。
今はまだ、私にとって生きにくい世界かも知れません。
しかし、前を向いて生きていきたいと思いました。