自分との対話
今、久しぶりにキャンバスに絵を描いています。
(手に持っているものは、アクリル絵具の乾きを遅らせるアイテム…!元々油彩を習っていた私には、アクリル絵具の乾きの速さには凍りついていました。
コレを使えば、油彩のようなタッチで、キャンバスの上で混色をすることが出来ます。)
四年前、幻視・幻聴という統合失調症と思われる症状に苦しんでいた時に描いた絵。
実は、上のような状態で時が止まっていました。
中途半端なキャンバスのサイズのためか、街の公募展には出展出来なかったのです。
しかし、小学生の頃からの行きつけの画材屋さん。
そこの店主が、隣街の公募展なら出展出来ると、教えてくれたのです。
高校を卒業して描いたものを出展するのは初めて…
木の簡易的な額装しか知らない私に、店主は色々と教えてくれて、額を作ってくださることになりました。ありがたい…
中途半端な過去の絵をどうするのか…
私の頭には
「先ずは壊す」
コレしかありませんでした。
"壊さないと始められない"
【ペインター】の口癖でしたね。
上の状態から、
こうなって、
こうなり、
次には
こうなりました。
笑
何が起こったと思われる方も多いでしょう。
しかし、私はずっとこんな描き方をしています。
ほんの数時間…いえ、時には数秒で絵が変わるのが、私の特徴かも知れません。
今回リメイクしたいと思ったのは、「顔」です。
周りのものは、四年前に視えたり聴こえたもの。
それはあまり崩したくない…というか、壊す必要は無いと思いました。
四年前の感じていた景色に、
様々な問題や病と向き合った、今の自分の顔を合わせてみたいと思ったんです。
…
楽しい…んですよね。
久しぶりでした。楽しいと感じたことも、
イーゼルに鏡を引っ掛けて、
自分の顔をまじまじと見ることも…
普段なら鏡なんか見たくない私でしたが、
何故でしょうか…
高校時代、自画像ばかりを描いていた自分が出てきたように思います。【ペインター】です。
描くときは
自分の顔が醜いだとか、
目のたるみだとかシミ、シワだの、
それら老化に悲しむことも無く、
まさに「冷静」に、自分を見ることが出来ています。
気がつくと、1人で話していましたね。
独り言です。
"頬の回り込みには緑色が見えるよ"
"目の位置はもっとこんな感じでね"
"はみ出すくらいが良いんだよ。後で何とでもなるんだから。"
…
それら全ては、
紛れもなく私の感じたことであり、
思ったことであり、
考えであり、
ちゃんと、私自身の意見なんです。
それを感じれたことがすごく嬉しかった…。
私は他の誰でも無い、
誰にも指図されなくとも、
誰にも見張られていなくとも、
誰かの意見に影響を受けることも無く、
自分で自分の感じたことを表現出来る…
紛れもない、私自身の
「楽しい」と「嬉しい」でした。
大きな一歩と共に、
まずは四年前の自分と統合すること…
そんな目的が見つかった制作です。
折角額を作っていただくのですから、
頑張って締め切りに間に合わせなくてはいけませんね。笑
でも、あくまでそれは緩い縛り。
大切なのは、この制作を通して自分にどのような変化が生まれるのか…
それが楽しみです◎◎◎